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『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』その②

(この記事の上記見出しは、その①で紹介した本『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら: 問題解決と飛躍のための実践的ガイド 』からとっています)

この記事を書こうと思った理由の一つに、中学受験生の中には、今回のコロナで塾がお休みになったことで不便を感じていらっしゃる方は多いと思いますが、特に苦しく感じられているお子さんの中には、この本に紹介されているような生きづらさを抱えたお子さんもいらっしゃるのではないかと感じたことがあります。

次男の場合も塾の先生や友人達との会話が、中学受験勉強ということにとどまらず生活する上での”精神的な拠り所”となっていました。学校で満たされない気持ちやフラストレーションを、塾で満たし発散させていました。

我が家の場合、もし今年の状況が続くのであれば中学受験までたどりつけていなかったかもしれません。次男に聞いたところ、「今年6年だったら今の学校には合格してない。学校に行かなくていいのはいいけど、塾に行けなかったら終わってた」そうです。

このような状況下で各ご家庭で工夫されなんとか前に進んでいかれようとされていると思いますが、うまくいかずに悩まれているご家庭もあるのではないかと思うのです。

その①でご紹介した本『ギフティッド その誤診と重複診断: 心理・医療・教育の現場から (日本語) 単行本(ソフトカバー)』の中で、ギフテッド児にほぼ普遍的にみられる特性として、”激しさ”ということがあげられています。

その”激しさ”は以下の5つの領域の1つあるいは複数で生じうるとしています。

①知的過興奮性

(特徴として挙げられている一部を抜粋)内省的で、焦点化したり集中力や問題解決力が求められるような知的難問が大好きである。思想や考えをめぐりワクワクする気持ちを人と共有できない状況に我慢できないことがある。

②想像の過興奮性

(一部抜粋)ギフティッド児の約4分の3には、就学前に想像上の友だちがおり、その友だちは想像上の宇宙のなかの惑星に住んでいたり、想像上のペットを飼っていたりする。(略)そして、その世界を鮮明な視覚情報としてとらえている。

③感情の過興奮性

(一部抜粋)周囲の環境に非常に敏感で、ひどく心配し、強い反応を示す。人、場所、物に対して非常に強い愛着を抱き、新しい環境や状況への適応に困難を示す。(略)彼らの強い感情は極端で、周囲の大人を困惑させる。この強烈で何度も反復される感情的反応のために、ギフティッドについて知識不足の臨床医は双極性障害と誤診しやすい。

④精神運動の過興奮性

(一部抜粋)精神運動の過興奮性のある子どもは、注意欠如・多動症(ADHD)と誤診される可能性が特に高い。この過興奮性のある子どもや成人は、あることに精神的に釘付けになって集中しているようなとき、その興奮のあまり身体はソワソワしたりピクピク動いたりしやすい。そして、これが多動の状態に非常によく似ているのである。

⑤感覚の過興奮性

(一部抜粋)感覚の過興奮性のある子どもは、日々の感覚ー視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚ー刺激を、他の子どもよりも非常に増幅された形で受け取っている。シャツについているタグをいやがる。ザラザラしていたり縫い目のある靴下を履けない(以下、感覚の増幅されている例が列挙されていました)。

次男に関しては、それぞれ度合いは違いますが、上記すべての項目について思い当たることがあります。

また、特に納得させられた部分に、「非同期発達」に関しての言及があります。

「ギフティッド児や多くの成人ギフティッドは仲間関係に不調和を感じるだけでなく、自身のなかにも不調和を感じることが多い。この状態を「非同期発達」という。この非同期発達やギフティッドネスの主要特性であるとみなす専門家もいる。(中略)

ギフティッド児は一般に考えられているほど多くの領域の能力が順調に発達しているわけではない。よくある例として、7歳のハイリー・ギフティッド児の読み能力は7年生(中学2年生)レベル、数的能力は6年生(中学1年生)レベル、微細運動能力が(小学)2年生レベルということがある。(中略)

重要なのは、ある一つの領域で非常に優秀な子どもが、他の領域では標準的だったり平均以下の能力ということも十分ありうると理解することである。(中略)

ギフティッド児において、判断力の発達は知的能力の発達よりも遅れることが多い。これはギフティッド児の非同期発達として特に留意すべき点である。この判断力と知的能力の発達の非同期性により、ギフティッド児と周囲の人々との間に緊張が生じる。(中略)

思春期直前の子どもやティーンエイジャーにみられる判断の誤りや自己中心性は、若い脳が解釈や優先順位の決定、予測に失敗することによるものである可能性があり、前頭葉が未熟なためだと考えられている。これは、すべての青年に当てはまることではあるが、ギフティッド児の前頭葉の成熟は同年代の青年よりもさらに遅れることが明らかにされている。

また、ギフティッド児特有の心と身体の関係についての重要性についても研究が進んでいるそうで、長年の様々な研究から、ギフティッド児はアレルギーや喘息といった免疫障害をかかえる傾向が高いことがわかっているそうです。

さらに、この本から知ったことで我が家が現実的に最も助けられたことの一つとして「反応性低血糖症」への対処があります。

ギフティッド児の中には「反応性低血糖症」とよばれるものが原因で、激しい状態が生じていることがあるそうです。

「反応性低血糖症のギフティッド児は朝一番は学校でとてもよくできる。課題に集中し、好奇心と学ぶ意欲にあふれ、熱心に取り組む。相変わらず質問が多く、ある種の過興奮性も人一倍強く見せたりはするが、概して非常によくできる生徒である。ところが、午前中も後半、10時半から11時頃になると、ほんの15分から30分の間に態度が激変する。課題には手がつかなくなり、非常に気が散りやすく、とても感情的で、人とのやりとりができなくなる。このような注意散漫で情緒不安定な状態は、昼食後30分から45分たつとおさまる。その後、態度が改善するが、午後3時半から4時ごろになると、再び問題行動が急激に現れる」(『ギフティッド その誤診と重複診断』第九章より引用)

「お腹がすくと機嫌が悪くなる」ということは、誰にでもよく言われることですが、ギフティッド児については脳内で激しいエネルギーを消費しているため、一時的にグルコース不足になっている場合が多く見られるそうです。

我が家でも特定の時間に激しい癇癪が起きることに悩んでいました。この本の中で紹介されていた方法を見て、我が家では食事の合間に頻繁に牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの高タンパク食品やおにぎりなどをとるようにしたことでかなりの改善がみられるようになりました。

砂糖の多いお菓子類やカフェイン入りの飲み物をとると、アップダウン周期が複数回になってしまうという内容を見てそれらを避けるようにしたことも奏功したように思います。

(続きます)

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