(低・中学年)子供の作文指導の心構えを学ぶ『我が子に教える作文教室』

塾での国語の成績が今ひとつの長男。記述問題は特にボロボロです・・・。
次男にもその傾向が見られるので、今年の夏はできれば「作文」対策を意識したいなと思っています。

今までも作文について何度か書いてきましたが、今も週1くらいで気がむいた時に作文に取り組んでいます(以前の記事→低学年こそ楽しみたい!書く習慣&親子のコミュニケーションにもなる10分作文『宮川式10分作文プリント』)。
最近気になっていたのが、私が指導することで、ずいぶんとつまらない文になってきているな・・・ということです。
次男は私を笑わせたいとい気持ちが強く、以前はダジャレなどを織り交ぜた面白い文を書いていたのですが、私が雑な字や接続詞など細部について指摘するようになったせいか、文章のまとまりが良くなった反面「お行儀のいいつまらない文」になってきました。読んでいるそばからオチがわかるような文ですね。

以前、子供のための絵画教室を主宰している友人と話した際に、「子供の絵について基本的には評価はしない。絵はその子の心を表しているものだから、それについて”良い””悪い”などない。ただ「面白いね」とか「この色合いいわね」とかの感想は言う。”雑”かどうかについても、その子の基準で考えると昨日に比べると色塗りが丁寧になっていたり、新しい色合いに挑戦していたりする。大人の基準で評価するべきではないし、大人ができることは今の絵を認めて、その上で新しい手法や色を紹介すること。でも技法よりも何よりも大事なのは”表現したい伝えたいことがその子のなかにあるかどうか”や”見て欲しいと思う人がいるかどうか”ではないかと思う」というような話を聞き、深く共感しました。

作文についても同じように感じています。子供の心の動いた体験を表現したい!という気持ちがあると荒削りでも勢いのある絵や文章になりますよね。
つまりは、作文の力をつけるということは、どれだけ心動く経験ができるかということなのかもしれません。

・・・とはいえ、ある程度の練習や慣れで相手に伝える表現力の部分が磨かれるのも事実です。

そろそろ私が教えるのも限界なのかもしれませんが、何か作文指導の参考になる本はないかと思い、このところ何冊か本に目を通しました。

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その中でも親の指導という意味で非常に参考になったのがこちらです。

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こちらの本は著者の清水義範氏が30回にわたって「週刊現代」に連載した「『作文親父』星一徹」というコラムをまとめたものです。

「文章を上手に書く」手法や技術について語られているものではなく、「子供に作文を指導する際の親の心構え」というような内容です。

とにかく基本は”褒める”。褒めた上で少しだけ付け加えるというスタンスです。
「そう言われても、どう褒めていいのかわからない・・」と思うこともあるのですが、紹介されている子供の作文(いわゆる”模範的な文章”ではありません)とそれに対する清水氏の指導や見方が紹介されているので、こういう場合にこういうところを褒めるのか、こう考えることもできるのか、と非常に参考になりました。

著者の清水義範氏は「子供好きではない」と書かれていましたが、作文を通して子供の丸ごとを受け入れるという姿勢にはっとさせられました。

・楽しく遊んでいる感じで作文を見る
・まず褒めるところを見つける
・少しだけ指摘して子供の成長を待つ
・形容詞が足りないと思ったら、「形容詞をもっと使え」というのではなく、様子を問いかけてみたり、子供との日常の会話の中で、形容詞を意識する。
・人それぞれに個性があって、持っている能力は千差万別。”文学的繊細”さがなくても理科的な観察眼がすぐれていることがある。

等々・・・あくまでも子供が楽しく作文を書くために親はどのようなスタンスで臨むのがいいのかということについての清水氏の考え方が書かれているもので、「賞をとるような文章を書くのはどうすればいいのか」という本ではありません。

読書感想文についての言及などでもわかります。

”読書感想文を書くということには、よい子ぶりましょう、おりこうぶりましょう、という臭みがプンプン漂っている。(中略)とてもいい本で感動しました、と言うしかないという圧迫がある。

「読書感想文は百害あって一利なし」とまで書いています(笑)。

私も読書感想文については常々同じように感じていたのに、息子達に対しては、もう少し何とか書きようがあるでしょう・・・というような対応をしてしまっていました。

本書の中に子供の書いた文章として、「昔、昔、あるところに、くそじじいとくそばばあがおりました(後略)」という物語のパロディの紹介があったのですが、それを次男に読ませたところ、げらげら大笑い。
「こういうの書いてみたい!」と自分で色々考えていました。

文章が書きたくなるような題材を与えたり、書きたいと思えるような工夫って大事ですね。
親はいいところを褒めて、成長をじっと待つ・・・そうも言っていられないと感じることもありますが、少なくともせっかくのいいところを潰さないようにしようと思いました。

 

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