先日、いただいたこちらの本を読んでみたのですが、面白かったです。お子さんが麻布志望の方は既読かもしれませんが、一読されると、試験対策?にもなるかもしれません。
学校に一貫した考え方があり、その特色が入試問題からもよくわかる麻布。熱烈なファンが多い学校でもあり、親も子も合う合わないが分かれる学校でもあります。
こちらの本には麻布の先生の入試問題に対する考え方なども紹介されています。
知識なんていうのはコンピュータで検索すればいいので、知っていることの多寡を訊いてもしょうがないんじゃないか。
また、サピックスの先生の話も紹介されています。
開成の方が明らかに努力量を見ている。(中略)麻布は、問題は面白いのですが、塾としては予想するのは難しい。子供の特徴で言えば武蔵とも違うと思います、(後略)
生徒の成績が伸びてきたら駒場東邦や開成の受験を勧めることはありますが、麻布はその観点では勧めませんね。逆に麻布向きの子は偏差値が足りなくても、受験を勧めることがあります。実際、麻布にしか合格しなかったという子が例年いますから
これらの話以外にも興味深い話がいろいろ紹介されていました。長男はサピックスに通っているのですが、毎年の春の保護者会で各教室の最終のどのクラスからどの学校に合格しているかということを教えていただけます。そこで伺った結果に照らしても、納得できる部分があるような・・・・。
サピックス以外の塾の先生の麻布に合格する生徒の話も紹介されていて、面白いです。
「麻布しか合格しない子がいる」「地道な努力が嫌い」
入試でも○か×かで採点する学校が多い中で、格闘の跡が見えたり、どこまで理解しているのか丁寧に確認する加点式の採点方法というのはいいですよね。
また、最近の受験者数減少のことや、それに対する学校の考えなどにも触れられていました。この本を読まれて「いい学校だな〜」と思われるか、「ちょっと・・・」と思われるかも志望校を決める際の一つの判断基準になるかもしれません。
こちらの本の中で印象に残ったことの一つがこちらです。
紹介されている麻布の先生へのインタビューの中で、”こんなに勉強しない受験校はない”麻布で、”コイツはなんにも勉強していないだろうなという生徒が、一浪くらいで東大に受かってしまう”のはなぜか、その先生の一応の結論は”麻布生には野蛮な集中力がある”ということ。そして、どこでその”野蛮な集中力”を得たかというと、”小学生時代の塾”。
最近は小学三年生ぐらいから塾通いを始めているので、三年間の勤勉な勉強の習慣を持って麻布に入ってきているんですよ。彼らは机に向かってコツコツ勉強する原体験みたいなものを身体にいったんとり込んでいるので、再び机に向かってがむしゃらに勉強を始めたときの集中力が凄いんです。
それなら勉強に関する麻布の役割って何?(笑)・・・と思うところですがそのことについても本の中できちんと説明が続いています。
中学受験についての批判はいろいろあり、もっともだなと感じる内容もあります。私自身もこんなに勉強させて・・・という迷いを感じることもあります。でも、とにかくがむしゃらに勉強に取り組んだこと、この体験はそれだけでも貴重なのではないかなと思う内容でした。
ちなみに、先日某S学園Sの説明会に参加したのですが、学校紹介のビデオの中、校長先生がお話をされている背景にあった本棚に学校史「麻布学園の100年」が燦然と輝いているのを発見(笑)。
やり手の麻布出身の学園長が以前「共学の麻布」を目指したいとおっしゃっていましたが、こちらも両校とも実力ある人気校になりましたよね。楽しそうないい学校だな~と感じています。