どんなお子さんにも得意不得意がありますよね。
「努力すれば誰もがオリンピック選手になれる」とは言えないのと同じように、もって生まれた脳の特性というものはあります。
学習に関してもそれぞれのお子さんに特性はあるのですが、一般的に学校での教え方、学び方は、複数の手法から選択することができないので、現在の方法で「苦手だ。できない」と感じてしまうお子さんもいらっしゃいます。
そんなお子さんにも、脳の特性に応じたアプローチが効果的な場合があります。
特に”読み書きの苦手”に関しては、いろいろな研究が進んできています。
そんな研究を土台にした、無料でダウンロードできる素晴らしいプリントがあることを知りましたので、ご紹介します。
「スマイル・プラネット」というNPO法人が公開している「読み・書き・計算の苦手を改善・克服するためのプリント教材」です。
発達障害学、特別支援教育を専門とされている東京学芸大学小池敏英教授の研究に基づき、「小学校で一般的に使われている読み・書き・計算教材では,学習が困難な児童を支援する目的で開発した教材」とのことで、「無理やりドリルで反復練習させるのではなく,その児童にあった手立てとして,児童の認知特性に配慮」した幾つかのパターンのプリントが用意されています。
漢字に関しては、学校の国語の教科書でよく採用されている光村書院もこちらのNPOをサポートされているようです。
素晴らしいと感じたのは以下の6種類の認知特性について、それぞれに適切な漢字プリントが用意されていることです。
・ひらがな単語の読みが苦手
・漢字の入った単語の読みが苦手
・見て覚えるより、聞いて覚えるほうが得意
・くりかえし書いて練習するのが苦手
・聞いて覚えるより、見て覚えるほうが得意
・学習した漢字がなかなか定着しない
私は、「学校で出される同じ漢字を繰り返し書かせる宿題がどうしても苦手で、苦手だからやりたくないし、書いても覚えられない・・・」という悩みをもつお子さんに、こちらの「くりかえし書いて練習するのが苦手」なお子さんのためのプリントを試してみたのですが、漢字を書くのが苦手でも、「パズルのようにパーツの組み合わせを覚える」というのは得意だったようで、プリントに取り組むのが好きになり、他の漢字パズルなども喜んでやりたがるようになりました。
低学年のうちは、「漢字が嫌い」になるのもあっという間ですが、「漢字好き。漢字パズル楽しい!」となるのも早いです。
「脳の特性」といっても、はっきりと分類できるわけではないですし、複数のアプローチが効果的なこともあります。
優れた教材でそれぞれのお子さんにあったアプローチを気軽に探すことができるのが嬉しいです。
出版元の明治図書のサイトで中身をチェックできます。
http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-089612-7
同じく明治図書が、読み書きが苦手な子供のための音韻認識力トレーニングアプリを出しています。
[appbox appstore appid 942820839]大人になれば、それぞれの特性にあった様々な生き方の選択肢があることが分かりますが、子供には難しいです。
本人は頑張っているのに、学習成果が出ず、学習をしても無駄だと考えてしまう「学習性無気力」な状態に陥らないように、適切なサポートをすることが大事だと感じています。